ベーシックインカム反対論

小池百合子ベーシックインカムを公約に掲げていて驚いた。親の脛をかじってるニートは喜ぶだろうが、逆にニート以外は誰も得しないと私は思う。


まず月8万円という額。年にして106万円。この額で暮らしていけるのは家賃も光熱費も通信費も親に頼っている、ニートくらいのもんである。多くの家は必要経費すら賄えない。働かざるを得ないのである。働かなくて済むのはニートか、資産が充分にあってアーリーリタイアできる人くらいなもんだろう。

またベーシックインカムを導入すれば、物価が大きく下がるだろう。多くの人は働かざるを得ないが、先に書いたように資産に余裕がある人は働かなくなっていく。すなわち、平均収入が下がる。物価は消費者の財布に合わせて最適化されるのだから、当然デフレが進む。

そうなると、ベーシックインカムが財源として当てにしている消費税が減るし、それだけじゃなく、所得税法人税を含めた税収が全体的に下がってしまう。不足する分はどうするかというと赤字国債を増やしたり、所得税法人税増税、ということになる。


このくらい容易にシミュレーションできるのだが、どこもかしこも、どんぶり勘定で財源を計算していて、肝心なところが詰めきれていない。

非常にリスクが高いにも関わらず、「無駄な公共事業があるはずだから財源の当てにできる」「ベーシックインカムで消費が増えるから消費税が上がる」というお花畑的な頭でしか考えていない。頭の中がベーシックインカムありきなのだ。

また、これだけのリスクがあるのに救われるのは、働けるのに働かないニートやシニアだけ。何の意味があるのだと言いたい。こんなんなら、受給資格を設けている生活保護制度をメンテナンスしていく方がずっといいし、まだ納得できる。

こんな代物を公約にする小池百合子を私は絶対に信用できない。票を集める為の撒き餌にしか思えない。ニートは間違いなく食いつくからね。


私もサラリーマンとして、仕事を辞めたくなることは頻繁にあるし、働かないで暮らせたらすごく良いと思うから、ベーシックインカムを実現できればこんなに嬉しいことはない。でも注意しなければいけないのは、世の中、甘いだけの話なんて無いということ。絶対に儲かるという詐欺と同じだ。楽して暮らしたいという心理を巧みについて、ありえもしない幻想を語っているだけなのだ。

ホリエモンひろゆきみたいな著名人もベーシックインカムベーシックインカム言ってるが、そもそもベーシックインカムを導入するモチベーションが彼らにはカケラもない。彼らは目新しいことを常に言って、有料のメルマガの読者を増やさなければいけないからああ言ってるだけ。