自分の立ち位置

今の仕事はとにかくお客さんと対話する機会が多い。


これまでのエンジニア人生の中で、表立ってお客さんと対話する機会は数えるくらいしかなかった私。


今の仕事は日常的にお客さんにメールするし、顔合わせて対応することもよくある。


人と関わることが、特に社外と関わる機会が増えてきた。


最初の職場では、会社内での仕事がメインだった。

それも最初の数年はチーム内に閉じた狭い世界。

部署間での仕事に変わり始めたあたりで、次の職場へ行った。


そこでは部署間の繋ぎがメイン業務。加えて、社外のベンダーとの関わりも日常的になった。


そして、今は顧客との対応も日常化している。


自分は技術に強みがあり、人間関係については弱みだと長年感じていた。

社会に出た時点では、そのコンプレックスがめちゃくちゃ強かった。

だから、とにかく技術を磨くことだけに興味があり、それが出来ないことに対してふて腐れていた。


今はどうか。

社内からは、顧客の対応は私に任せておけば安心だと言われている。

ベンダーへの対応も私以上にモノを言える人はいないと認められている。


いつのまにか弱みが強みに変わっているのだ。


私は社外どころか、社内でも個人的な関係を結べないタチの人間だ。

だからきっと営業なんかは出来ない。


でも、同じエンジニアとして、お客さんの考えていること、困っていることを理解できる。


理解できるからお客さんが納得しないような独りよがりの回答をすることもないし、

逆にお客さんの思考を気付かせないままに、誘導することもできる。

社内の都合を鑑みて、お客さんをコントロールできる。


そして、ベンダーの方便も手抜きも分かる。安直には逃がさない。


これらは今の職場で出来ない人を見て、改めて自分の強みと認識することができた。


出来ない人は自分の感情を優先させ過ぎるか、自分の労力ばかりを主張したがる。

だから顧客の興味がどこにあるか、が目に入らない。

ある


新卒の時に、まさかこんな風に成長するなんて思ってなかった。


振り返って見て、最初に描いていたキャリアなんて全然歩めていない。

それに対して恨みの気持ちが無いわけではない。

自分よりも平凡な人が苦労もせずに生きていることに対しては特に。


だけど、これが自分のこの世界での立ち位置なのかなと、思う。