マルクス

マルクス資本論の要約本を読んだ。

非常に感銘を受けた。

 

1️⃣資本主義は効率化の世界。

かつて1日かかっていた仕事は、資本主義の元では、一時間で出来るようになる。

ただし、効率化の恩恵を受けるのは資本家。

資本家は効率化したことで、労働者を別の仕事に割り振るし、仕事が無ければクビにしてコストカットする。

労働者は効率化で浮いた時間で別の仕事をやらされるので恩恵を受けない。むしろクビになるリスクを背負い、その立場を危うくする。

 

2️⃣資本主義はデフレの世界。

企業間の競争の結果、商品はどんどん安くなる。

しかしその恩恵を受けるのは資本家である。

商品が安くなったということは、会社が効率化をしたということ。

効率化の結果、労働者は給料を減らされる。

商品は安くなったけど、それ以上に所得は減らされるので、労働者は貧しくなる。

 

3️⃣資本主義は商品化の世界。

かつてただで手に入ったものに、値札が貼られるようになる。

労働者はなけなしの給料をさらに奪われることになる。

さらにそもそも必要のなかった労働が生まれる。

労働の無内容化が蔓延る。

 

4️⃣資本主義は分業化の世界。

資本家が管理しやすいようにと、複雑な労働は単純な労働の集合へと変化させられる。

労働者はスキルや知識を奪われる。成長の機会を奪われる。

続ければ続けるほど、そこ以外では働けなくなり、より労使交渉は困難になり、賃金は下げられ続けるだろう。

 

5️⃣資本主義は過労の世界。

労働は新人を一人雇うより、慣れた者にやらせる方が効率的である。

新人は教育費がかかるし、すぐに辞めてしまったら採用費も無駄になる。

固定費も人が増えるほど負担が増える。

だから、労働者の一人当たりの労働時間は増え続ける。

 

…まだまだあったように思うが、全て資本主義の問題を的確に捉えている。

この世界で労働者がなすべきことは、資本家になることに尽きる。それも一刻も早く。でないと蟻地獄に足を絡められ、永遠に搾取され続けるだろう。

 

資本家は悪のように見えるが、そうではない。資本主義においては、社会の維持に必要な労働力は減少し続ける。不必要な労働力の結果、働かなくても生きられる資本家がいるのである。急速に増えるのは社会を維持できなくなるのでダメだが、効率化する限り働かなくて良い人口が増えるのは当然なのだ。

 

資本主義のダメなところは富の偏りだろうね。みんなで等しく労働が減れば良いのだけど。全く働かなくて良い資本家と、過労死するまで働かざるを得ない労働者。