父の仕事

子供の頃、父が働いているという印象がなかった。常に趣味の釣りや木彫り細工ばかりやっていた。

小4で父について作文を書く時も、同級生は父親の仕事について書いていたが、あまりに仕事の印象が薄いので、自分の作文タイトルは「多趣味な父」となった。

仕事していない、という訳ではなく、力の入れ方が完全に趣味に傾いていた。自営業なので、人よりも自由な時間があり、趣味にかけられる時間も多かった。

 

時が経ち、自分が父と同じような年齢になると、自分もやはり趣味人になった。若い頃は仕事に命をかけていた時期もあったのだが、思いがけず、こんな状態に落ち着いた。

自分はサラリーマンで父より自由は少ないにも関わらず、忙しい仕事から暇な仕事に転職し、好きな趣味を満足いくまでやる、という生活になっている。

私の息子も、私と同じように父が仕事をしていないなと思ってるのだろうな。

 

ひとつ違うのは私は自分の趣味に息子をかなり巻き込んでいる、ということ。私と父の関係性は赤の他人という感じだったが、私と息子の関係は友達に近い。ずっと親子で共通の趣味を楽しめれば良いなと思う。